忍者ブログ
ファイティングファンタジーゲームブック日本未訳作品の翻訳活動
[127]  [126]  [124]  [123]  [122]  [121]  [120
イギリスの本家FFゲームブックが2017年よりまた出版社を変えて再刊された事は前回述べました。新しい出版社はスカラスティック社(Scholastic BOOKS)と言い、イギリスでは児童書分野で最大手の出版社であり、日本にも支社があります。

2017年8月から9月にかけてこのスカラスティック版FFは6冊刊行されました(第1期)。このうち1-5巻は旧作の再刊で、6巻が目玉と言うべき書下ろし新作です。

スカラスティック社版ファイティングファンタジーゲームブックリスト
第1期
1)「火吹山の魔法使い The Warlock of Firetop Mountain」
スティーブ・ジャクソン&イアン・リビングストン著
2)「盗賊都市 City of Thieves」
イアン・リビングストン著
3)「バルサスの要塞 The Citadel of Chaos」
スティーブ・ジャクソン 著
4)「運命の森 The Forest of Doom」
イアン・リビングストン著
5)「地獄の館 House of Hell」
スティーブ・ジャクソン 著
6)「危難の旅路 The Port of Peril」
イアン・リビングストン著

表紙イラスト全て ロバート・M・ボール(ただし6巻の著者サイン入り限定版のみイアン・マッケイが担当)
本文挿絵全て ヴラド・クリザン
地図イラスト レオ・ハータス(5巻除く)

これに続き、2018年4月初頭に6‐12巻の第2期が刊行されました。日本でもアマゾンなどを通じて購入されたファンもおられると思います。今回の第2期6冊のうち5冊が旧作の再刊で、12巻が目玉の書下ろし新作でした。リストは以下になります。

第2期
7)「死の罠の地下迷宮 Deathtrap Dungeon」
イアン・リビングストン著
8)「トカゲ王の島 Island of the Lizard King」
イアン・リビングストン著
9)「サイボーグを倒せ Appointment with F.E.A.R.」
スティーブ・ジャクソン 著
10)「モンスター誕生 Creature of Havoc」
スティーブ・ジャクソン 著
11)「ソーサリー1 魔法使いの丘(シャムタンティの丘を越えて) The Shamutanti Hills」
スティーブ・ジャクソン 著
12)「死の門扉 The Gates of Death」
チャーリー・ヒグソン著

表紙イラスト全て ロバート・M・ボール
本文挿絵全て ヴラド・クリザン
地図イラスト レオ・ハータス(9、11巻除く)

第2期でも注目すべきはやはり書下ろし新作である第12巻「死の門扉 The Gates of Death」でしょう。昨年以来の新刊、それもシリーズ初参入の作家による書下ろしと来ればやらない訳にはいきません。著者のチャーリー・ヒグソン氏は日本ではあまり知名度がありませんが、イギリス本国ではコメディアン兼放送作家として有名であり、小説でも007ジェームズ・ボンドの少年時代を描いた「ヤング・ボンド」シリーズがヒットした人気作家で、実力・実績面でも申し分のない人です。ヒグソン氏はリビングストン氏と以前から交友が深かったそうで、FFへの参入もそうした縁がきっかけだったそうです。
ただ、新作と言っても本が出るまでは正直不安がありました。他ならぬ先行作の「危難の旅路 The Port of Peril」が、アドベンチャーゲームとしてあまり出来が良いとは言い難かった為です。はっきり言ってリビングストン氏の前作にしてシリーズ30周年記念作である「ゾンビの血 Blood of the Zombies」の方が出来が良かった。「危難の旅路」は実質35周年作にあたるのですが、内容的にはかなり見劣りします。「危難の旅路」は「盗賊都市」の続編として、復活したザンバーボーン退治を冒険の最終目的に据え、アランシアの善の魔法使いとして双璧を成すヤズトロモとニコデマスを「共演」させるといったストーリー的な見せ場はあるのですが、いかんせん少しでも本筋から離れた行動をしたらすぐに即死という、アドベンチャーゲームとしてはかなり理不尽な展開になっていました。リビングストン作品の悪い部分が寄せ集められた作風とでも言いましょうか。まあ、翻訳はすでに終わっているので、近いうちにお読みいただけると思います。良い意味でも悪い意味でも読んで損はありません。

では、今回の「死の門扉」はどうなのでしょうか? 
筆者も早速取り寄せて読んでみたのですが、なかなかどうして、これは大した本ですよ。面白いです! ヒグソン氏はFFはもちろん、ゲームブックの執筆自体も初挑戦と思われるのですが、それにしては出来の良いものでした。日本のファンにもぜひプレイして欲しい佳作である事は間違いありません。

ではこの「死の門扉」というゲームブックの内容はいかなるものなのでしょうか?

(続く)
PR
カレンダー
06 2018/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
リンク
アクセス解析
忍者ブログ [PR]